研究・開発・研究開発?|これらの違いを解説

研究開発

就活や企業研究をする上で、”研究開発職”、”研究職”、”開発職”というのを見かけたことはありませんか?

微妙に異なる言葉、これらは一体何が違うのでしょうか?

現役で化学メーカーに勤めている筆者が解説します。

この記事を読めば、”研究”と”開発”の言葉の違いがわかる!

研究と開発では製品化・商品化までの”段階”が異なる

一般的に、研究と開発では製品化・商品化までの”段階”が異なる場合が多いです。

  • 研究|基礎研究を指すことが多い、0→1を創り出すイメージ
  • 開発|製品開発を指すことが多い、1→10に発展させるイメージ
  • 研究開発|基礎研究と製品開発をあまり区別していない場合に使用される

研究が新しいものを創り出す初期段階、開発が創り出したものを発展させ製品化に繋げる段階、ということです。

研究開発は、企業によっては研究と開発をそこまで区別しない場合や、研究と開発の枠組みが曖昧な場合がありますので、まとめて言うときに使用されることが多いです。(便利です)

私の勤めている企業では、研究と開発が厳密に分けられていないため、研究開発という言葉が使用されています。

ちなみに、他にも応用研究などの言葉がありますが、本稿では割愛させて頂きます。

また、大学などアカデミックな場では、基礎研究は”真実や基本原理の探求”を示すことが多いです。

そのため、本稿の解説とは異なりますので、ご了承下さい。

あくまでメーカーの観点から、基礎研究と製品開発について、それぞれ深堀していきます。

基礎研究とは

世の中にない新しい技術を生み出すことを、基礎研究と言います。

0から1を生み出すイメージです。

顧客の潜在的なシーズやニーズを捉えたり、”こんな技術があったら便利”という思いを発端に研究がスタートすることが多いです。

例えば、みなさんが使用しているスマートフォンのタッチパネル。

昔はタッチパネルという存在が無かったわけです。(物理的なボタンを押すのが一般的)

指などで触って反応するパネルがあったら便利だなーと思いついた方がいたのでしょう。(たぶん)

触って反応するパネルの原理や仕組みを考え、具現化する(触って反応するパネルが出来る)ところまでが基礎研究です。

製品化まで考える必要はありません。

世の中にない技術を生み出すということは、非常に難しいことです。

そのため、多くの時間を必要とする研究です。

最低でも数年単位はかけて、研究を継続することが多いでしょう。

資金的・人的に余裕の無い企業では、基礎研究に力を割けないこともあります。

そういった企業は、他社の技術(特許)を使用して、成り立っています。

基礎研究で生み出した技術は、その企業の”オリジナル”であり、他社と差別化する重要なポイントです。

製品開発とは

基礎研究で生まれた技術を、実際にお客様(顧客や一般消費者)に届けられるように形にするのが製品開発です。

1から10にするイメージです。

例えば、タッチパネルという技術が基礎研究で生まれても、すごく大きくて重くて使いものにならないかもしれません。

せっかく素晴らしい技術なのにもったいない。

では、タッチパネルを小型にして軽量化しよう、ついでに携帯電話のボタンの代わりにつけてしまおう、というのを形にするのが製品開発です。

タッチパネルを小型にするにはどうしたらいいだろう。

携帯電話のボタンの代わりにつけるには、携帯電話そのものの形を変える必要があるな。

では、携帯電話の形を設計している部署と相談しよう。

色々な課題を克服して、みなさんの手元にタッチパネルがあるわけです。

製品開発というのは、非常に守備範囲(担当範囲)が広いのも特徴です。

顧客のニーズに応える製品を開発中するだけでなく、その過程で国の認可や法令の遵守、開発した製品を生産工程に上げるステップがあったりします。

そのため、製品開発には広い知識が必要です。

多くの経験が出来るという意味では、基礎研究には無い面白さかもしれません。

研究と開発の違い

もう一度、研究と開発の違いをまとめると、以下の通りです。

  • 研究|基礎研究を指すことが多い、0→1を創り出すイメージ
  • 開発|製品開発を指すことが多い、1→10に発展させるイメージ
  • 研究開発|基礎研究と製品開発をあまり区別していない場合に使用される

とは言え、”研究開発”という言葉あるように、厳密に”研究”と”開発”をそこまで区別していない企業も多いです。

あまり、気にしすぎなくても良いかもしれませんね。

以上、研究と開発の違いについて解説しました。

少しでも、皆様の疑問を解決出来たならうれしいです。

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