みなさん、就活の面接の対策はしていますか?
様々なノウハウがありますので、みなさん勉強。対策をされているかと思います。
しかし、実際の面接では全く想定していない出来事が往々にして起こるものです。
筆者も、現在勤めている会社の最終面接で思わぬ質問があり、固まってしまった経験があります。
そんな筆者の最終面接での出来事を通して、就活でこれから就活を迎える方に考えてほしい研究開発者としての”心構え”を紹介したいと思います。
研究開発職を希望する就活生に向けて、知っておいてほしい”心構え”を教えます。
これを知っていれば、他の方より一段上の考え方が出来るようになります。
※あくまで研究開発職に従事している筆者の考えです。
結論|知ってほしい研究開発者としての心構えとは
研究者として、持っておいて欲しい心構えはたくさんあります。
よく言われるのは探求心でしょうか。他にも継続する力やコミュニケーション能力なども必要ですね。
ほとんどの方は、研究開発者としての心構えを大学や大学院で既に獲得しています。
会社に入った後に必要な心構えの”基礎”は、出来ているわけです。
しかし、ほとんどの方が獲得できていない心構えがあります。
それは、売上や利益を考えるという視点です。
大学や大学院で、売上や利益を考えるという視点を持っている方は、ほとんどいないように感じます。
実際に筆者もその視点はありませんでした。
だからこそ、知っておくと他の方より一段上の考え方が出来、就活していると人事の人から、「お、こいつは考え方が違うぞ」と思わせることが出来ます。
ぜひ、知っておいて欲しい視点です。
さて、”その視点が何故必要だと感じたのか”、”その視点が何故必要なのか”、解説していきたいと思います。
最終面接でされた質問で感じたこと
現在勤めている化学メーカーでの最終面接でのことです。
最終面接は役員面接でしたので、面接会場に入ると多くの偉い方が前に座っていました。
人事の方を含めて、6~7人座っていたかと思います。
正直、誰かわかりませんし、緊張で顔も覚えていません(笑
ただし、その中で今でも一人だけ顔を覚えている方がいます。
白髪のオールバックをした端正な顔立ちをされて方、柔和な印象とは裏腹に話し出すと凄みを感じる方でした。(後に知りましたが、当時の副社長だったそうです)
私は、修士卒を予定していたので、大学での研究内容を質問され、自分でもうまく説明出来たなーと感じた後です。
副社長にこう問いかけられました。
あなたのやっている内容は、私からみたら”遊び”みたいな研究ですね。
一瞬、「??????」と思いました。
と同時に少し怒りがこみ上げてくるのを感じました。
一応、研究は一生懸命やっていましたし、成果も出している自負がありました。
それを”遊び”呼ばわりするのはどういうことだ!、と思いました。
その”遊び”みたいな研究は、当社に来ても役に立ちません。それについてどう思いますか? あなたが当社に来たとき、どのような貢献をしてくれるのでしょうか?
その質問で固まりました。
さて、みなさんでしたら、この質問に対して、どのように考えますか?
私の場合、「少し考えさせて頂けますか?」と言って、おそらく10秒くらい間をとったと思います。
その時の脳はフルパワーで思考を働かせていたことでしょう。
やがて、こう答えたのを覚えています。
確かに、企業から見たら”遊び”のような研究かもしれません。現在の研究の成果で売り上げを出すわけでもありません。御社は企業です。ですので、売上に貢献しない研究に意味が無いのは理解できます。
一方で、現在の研究はアカデミック(学術的)な研究です。”遊びのような研究”に映るかもしれませんが、世の中の真理を解明する上では、非常に大切な研究だと考えています。
研究する上での心構えは学んでいるつもりです。それらを生かして良い製品を作り、御社の売上に貢献出来ると考えております。
ここで大切なのは、企業と大学の研究をきっぱりと分けて考えていること、企業には売上や利益が必須だということを、明言していることだと思います。
この時、思考しながら話をしていたので、自分でも”企業には売上や利益が必須”なんだと感じた瞬間でもあります。
そして、この考え方は非常に大切なことだと、帰りの電車の中で思ったことを覚えています。
研究開発職で何故必要な視点なのか?
みなさんの中には、研究開発職で売上や利益を考える視点が必要なのか? と疑問に思った方もいるでしょう。
色々な意見があると思いますが、個人的には必要な視点だと考えています。
企業である以上、売上や利益が立たないと倒産してしまいます。
売上や利益に繋がらない製品や技術を開発は、企業にとって重要性が薄いのです。
この視点を持っているとどうなるのか?
この視点を持っていると、社会人・研究開発職として一段上の考え方が出来ます。
例えば、「当社にどのように貢献出来ますか?」という鉄板の質問について考えてみましょう。
少し変わっただけですが、下の方が説得力が増していませんか?
これは、一つひとつの表現を、売上や利益の観点から落とし込んでいるからです。
このように少し視点を変えるだけでも、考え方が変わってきます。
この少しの考え方の違いというのは、他人に簡単に伝わるものです。
最後に
さて、筆者の経験談から、研究開発職を目指すうえで持ってほしい心構えについて解説しました。
それは、売上や利益を考えるという視点です。
実は、社会人の方でも、この視点を持っていない方はけっこういます。
特に研究開発職の方に多いです。
営業職の方は売上や利益に触れるので、自然とその考え方が身に付きます。
しかし、研究開発職では、売上や利益に触れる機会が少ないのです。
そのため、勤めている会社の売上や利益をパッと答えられない人も多いです。
もし、学生や若手の内から、売上や利益という視点を持っていたら、間違いなく研究開発職の中でも抜きん出た存在になれると思います。
ぜひ、その視点を持って自分を磨いてくれればと思います。
企業と大学の研究の違いは、以下の記事でも解説しています。よければご参考ください。
我ながら、よくこんな回答が出来たものだと、今でも思います。
後に、人事の方から聞いた話ですが、副社長からの質問で私が固まったときに、「あ、終わった」と冷や汗が垂れたそうです。かなり厳しい質問だったみたいですね。
しかし、間を置きながらも”堂々と回答”している様(本当は混乱していましたけど…)を見て、副社長は採用を決めてくれたそうです。